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健康診断結果の見方

聴力検査・視力検査・身体計測

  • 聴力
    聴力の低下の有無を調べる検査です。
    1000Hzと4000Hzの音域の音が聞こえるかをオージオメーターで検査します。オージオメーターで測定する聴力検査は、外部音を遮断した場所で片耳ずつ測定し、強い音、弱い音をヘッドホンから流します。聞こえたらボタンを押してもらいます。 ヘッドホンから聞こえる音を聴き取れるかで、難聴かどうかを判断します。
  • 視力
    裸眼または矯正の視力を測定します。
    視力検査はランドルト環という○に上下左右の切れ目のついた輪で検査します。普段、コンタクトレンズや眼鏡を使用されている方はそのまま矯正視力として計測します。
  • 眼底
    眼底検査は眼の奥にある血管や網膜の異常をみる検査です。
    • 黄斑(おうはん)変性:視力に影響を及ぼす黄斑部の変性があります。
    • 視神経萎縮:視神経が萎縮しています。
    • 視神経乳頭・浮腫(ふしゅ)視神経乳頭・浮腫(ふしゅ):視神経乳頭が充血してはれていて、ぶどう膜炎や視神経炎などの炎症性疾患や脳内疾患の可能性もあります。
    • 硝子体(しょうしたい)混濁:硝子体ににごりが生じています。放置してよいものと治療が必要なものがあります。
    • 中心性漿液(しょうえき)性網脈絡膜症:ストレスが関与しているとされる疾患です。放置してよいものと治療が必要なものがあります。
    • 乳頭陥凹(かんおう):視神経乳頭陥凹(かんおう)が正常より拡大し、緑内障が疑われます。
    • 白内障(はくないしょう):水晶体がにごり、視力障害やかすみ目が生じます。
    • 網膜色素変性:初期の症状は夜盲症で、視野が狭くなります。遺伝の要素が強く、治療が難しい疾患です。
    • 網膜出血:糖尿病、高血圧などの全身疾患や各種の眼科疾患で発症します。
    • 網膜剥離:裂孔原性(れっこうげんせい)と滲出性の網膜剥離があります。
    • 網膜浮腫(ふしゅ):網膜内にむくみが起こっています。
    • 緑内障(りょくないしょう):眼圧値が正常でも、眼底写真で見つかることもあります。
    紹介状を受け取られた方は・・・上記の病気が隠れていないかどうかみるため、詳細な検査や再検査、治療について、医師(眼科)に相談することをお勧めします。
  • 腹囲
    腹囲は内臓脂肪型肥満の有無を判断します。
    腹囲測定は、ウエストではなくおへその水平ラインで計測します。息を軽く吐き、手は下ろした状態で立って測定します。食事直後の測定、また女性では妊娠している方は正常値が計れません。
  • 体脂肪測定
    体脂肪率を計測し、肥満度を測定します。
    体重測定時に体に微弱な電流を流し、電流に対する抵抗(インピーダンス)を測定し、体脂肪率を推定する方法で計測します。
    心臓ペースメーカーを使用している方は、ペースメーカーが誤作動を起こす可能性があるため測定できません。
  • BMI
    身長と体重から計算して肥満とやせを判定します。
    (体格指数:Body Mass Index) BMIは身長と体重から算出します。
    計算式は「BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」
    紹介状を受け取られた方は・・・病気が隠れていないかどうか、また、減量等について医師(内科)に相談することをお勧めします。

尿検査

  • 尿検査
    尿を化学的方法や顕微鏡で検査します。
    • 尿糖(糖代謝):血糖値が一定の限度をこえると、尿中に糖が漏れ出てきます。尿糖検査で陽性の場合、糖尿病が疑われますが、尿検査だけでは糖尿病と判断することはできません。
    • 尿蛋白(腎機能) :腎臓や尿路系に障害や機能低下がおこると尿中に蛋白が混じることがあり、腎炎、尿路系感染症、尿路結石、膀胱炎、慢性腎臓病(CKD)などを疑うことができます。ただし、蛋白質は尿に混じりやすいために、尿蛋白が陽性だから病気であるとは断定できません。
    • 尿ウロビリノーゲン(腎機能) :健康であれば尿中にわずかなウロビリノーゲンが検出されます。しかし、多すぎたり(陽性)、逆にまったくない(陰性)場合には肝臓や胆のうなどの異常が疑われます。
    • 尿潜血(腎機能) :腎臓や尿路系に炎症、機能低下などの異常が生じると尿に血液が混じることがあり、尿蛋白と同様に、腎臓、尿路系の病気を疑うことができます。溶血性貧血や筋肉疾患、激しい運動後、発熱・過労、加齢、特に女性は生理の影響など様々な要因で陽性率が高くなる場合があります。
    • 尿沈渣 :尿を遠心分離機にかけ、沈澱した赤血球や白血球、尿酸結晶、細胞、細菌などの成分量と種類を調べる検査です。成分が正常値より多かったり、円柱細胞などが見つかった場合、腎炎、腎臓か尿路の感染、腫瘍などの病気を疑うことができます。
    紹介状を受け取られた方は・・・上記の病気が隠れていないかどうかみるため、詳細な検査(血液検査、尿検査、超音波検査等)や再検査、治療について、医師(泌尿器科)に相談することをお勧めします。

大腸がん検診
(便潜血反応)

  • 大腸がん検診(便潜血反応)
    消化器からの出血を調べる検査で、肉眼ではわかりにくい微量の出血を検出する検査です。

    陰性か陽性かを判定します。陽性(+)の場合、消化管の出血性の病気、大腸ポリープ、大腸がんなどが疑われます。その場合は、専門医で大腸の詳しい検査が必要となります。

    精密検査の詳細についてはこちらをご覧ください。

    福岡県内の精密検査ができる医療機関はこちらをご覧ください。

    (福岡県医師会ホームページ令和5・6年度各種検診精密検査等実施医療機関登録名簿より抜粋)

    なお、受診の際は事前に医療機関にご確認ください。

血液検査

  • 貧血
    貧血や血液の病気をみる検査です。
    • ヘマトクリット(Ht):ヘマトクリットは、血液中に占める血球の容積の割合です。真性多血症、脱水、ストレス等で高くなる場合があります。
    • ヘモグロビン(Hb):ヘモグロビンは体内に酸素を運搬する働きがあります。ヘモグロビンが基準値を下回った場合、酸素の運搬が十分に行われないため、貧血状態になります。
    • 赤血球数(RBC):赤血球は、骨髄の幹細胞でつくられている血液の主成分で、体内の各組織細胞へ酸素を運びこみ、二酸化炭素を運び出す働きをしています。数が多すぎると、血液の流れが悪くなり血管が詰まる原因になる可能性があります。
    • 白血球数(WBC):白血球は、体の組織に侵入した細菌などの異物を取り込み、消化や分解をし、免疫の働きをしています。基準値を超えた場合には細菌感染症、白血病などの血液疾患が考えられます。骨髄の造血機能の低下などがあると、白血球数は減少します。
    • 血小板数:血小板は、出血したときに傷ついた血管壁に付着し止血の働きをしています。数が減ると出血しやすくなったり、出血が止まらなくなってしまいます。採血時、人によってまれに血小板凝集をおこす方がいます。
    • 平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC):MCV・MCH・MCHCとは赤血球数・血色素量・ヘマトクリット値から計算する平均赤血球恒数です。貧血の原因や推測するための分類ができるため、貧血があるかどうかを決める時に調べる項目です。
    紹介状を受け取られた方は・・・上記の病気が隠れていないかどうかみるため、詳細な検査(血液検査等)や再検査、治療について、医師(内科、血液内科)に相談することをお勧めします。
  • 脂質代謝
    脂質異常をみる検査です。
    • 総コレステロール :血液中のコレステロールが多くなりすぎると動脈硬化症などの生活習慣病の原因となります。糖尿病や、胆石症などでは総コレステロールの値は高く、肝硬変や甲状腺機能亢進症などでは総コレステロールの値は低くなります。
    • HDLコレステロール:HDLコレステロール(善玉)とは、血管の壁などに余分に付着しているコレステロールを回収する役割があります。
    • LDLコレステロール:LDLコレステロール(悪玉)は、値が高いと心臓疾患や脳血管疾患、動脈硬化などの発生する確率が高くなる可能性があります。
    • 中性脂肪(TG):中性脂肪は、過剰分が内臓脂肪として蓄えられます。血管に影響が出やすく、動脈硬化、心臓疾患、脳血管疾患が発生する確率が高くなる可能性があります。
    紹介状を受け取られた方は・・・上記の病気が隠れていないかどうかみるため、詳細な検査(血液検査、頸部超音波検査等)や再検査、治療について、医師(内科)に相談することをお勧めします。
  • 肝機能
    肝臓、胆のう、胆管の病気をみる検査です。
    • AST(GOT):肝臓は代謝、排出、解毒において重要な役割を担っています。ASTが高値の場合、急性肝炎、アルコール性肝障害などを疑うことができます。
    • ALT(GPT):肝臓の機能が低下すると、多くの場合ASTとALTの値が同時に上昇する性質があります。肝臓病 (急性・慢性肝炎・脂肪肝、アルコール性肝炎)などが疑われます。
    • γ-GTP:γ-GTPだけが基準値を上回っている場合、飲酒の影響が考えられます。アルコール性肝障害、薬物性肝障害、慢性肝炎、脂肪肝などが疑われます。
    • ALP:多くの場合、肝臓、胆道系、骨などの障害により血液中で上昇します。
    • TTT:肝機能障害(慢性肝炎、肝がん)や、血清アルブミン減少やγ‐グロブリン(主にIgM)が増加したときに高値になる場合があります。
    • ZTT:ZTTはTTTと同じく、肝機能障害(慢性肝炎、肝がん)や、血清アルブミン減少やγ‐グロブリン(主にIgM)が増加したときに高値になる場合があります。骨髄腫などのMたん白血症を推定することもできます。
    • LDH:肝臓、心筋(心臓の筋肉)、骨格筋などの障害を推測することができます。高値の場合急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変などが疑われます。
    • CHE:CHE肝細胞に障害があると低値になりますが、脂質代謝と関連しているため、栄養の摂り過ぎや肥満などでは高値になります。
    • T-BiL:T-BiL(総ビリルビン)が異常値の場合、黄疸、溶血性貧血、敗血症、急性・慢性肝炎、肝硬変、肝臓癌、胆石症などを疑うことができます。
    • TP:栄養状態、肝機能障害を推測することができます。高値の場合、多発性骨髄腫、肝硬変、慢性肝炎、高蛋白血症などを疑うことができます。低値の場合、肝障害、浮腫、低蛋白血症などを疑うことができます。
    • ALB:ALBは血液の浸透圧を保つ役割があります。低値の場合、低タンパク血症、ネフローゼ、肝硬変、慢性炎症などを疑うことができます。高値の場合、脱水などによる血液濃縮を疑うことができます。
    • A/G:血液中のアルブミンとグロブリンの比率を調べる検査です。肝疾患、ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症などを疑うことができます。
    紹介状を受け取られた方は・・・上記の病気が隠れていないかどうかみるため、詳細な検査(血液検査、超音波検査等)や再検査、治療について、医師(内科、消化器内科)に相談することをお勧めします。
  • 膵機能
    膵臓に関する病気をみる検査です。
    • アミラーゼ(AMY):膵臓や唾液に含まれる消化酵素で、高値を示した場合は膵疾患か唾液腺の異常かの確認が必要です。高値の場合、膵炎、膵のう胞などを疑うことができます。低値の場合、膵臓病、肝硬変、糖尿病などを疑うことができます。
    紹介状を受け取られた方は・・・上記の病気が隠れていないかどうかみるため、詳細な検査(血液検査、超音波検査等)や再検査、治療について、医師(内科、消化器内科)に相談することをお勧めします。
  • 糖代謝
    糖尿病をみる検査です。
    • 空腹時血糖:健診の場合、原則10時間以上の絶食時の血糖を調べます。食事の影響を受けやすく、高値の場合、糖尿病、甲状腺機能亢進症などを疑うことができます。
    • HbA1c(NGSP値) :HbA1cは過去1~2ヶ月程度の血糖値の状態がわかります。高値では糖尿病、膵炎、肝炎などを疑うことができます。(2013年4月から新しいHbA1c(NGSP)が使われ、2012年まで使われていたHbA1c(JDS)とはおよそ0.4%違うのでご留意下さい。)
    紹介状を受け取られた方は・・・治療や糖負荷検査(血液検査)等の精密検査について、医師(内科、糖尿病内科)に相談することをお勧めします。
  • 尿酸
    高尿酸血症をみる検査です。
    • 尿酸(UA):尿酸は痛風の原因になっているプリン体という物質で、ほとんどが尿中に排出されます。 高値の場合、痛風、尿路結石、腎不全、尿毒症などを疑うことができます。
    紹介状を受け取られた方は・・・上記の病気が隠れていないかどうかみるため、詳細な検査(血液検査等)や再検査、治療について、医師(内科)に相談することをお勧めします。
  • 腎機能
    腎臓の働きをみる検査です。
    • 尿素窒素(BUN):BUN高値ではの排泄障害の疑いがあり、腎不全、慢性腎炎、閉塞性尿路疾患などを疑うことができます。
    • クレアチニン:クレアチニンは尿酸や尿素窒素同様老廃物であるため、腎臓が正常であれば尿として体外に排泄されますが、血中のクレアチニンが多いということは、腎機能障害が疑われます。
    紹介状を受け取られた方は・・・上記の病気が隠れていないかどうかみるため、詳細な検査(血液検査、超音波検査等)や再検査、治療について、医師(内科、腎臓内科)に相談することをお勧めします。
  • 炎症性疾患・感染症疾患
    炎症性疾患を判断する検査です。
    • CRP:体に炎症や、組織に損傷が見られる場合、C反応性蛋白が現われます。
    • RA:関節リウマチなどを疑うことができます。
    • ASO:腎炎や扁桃炎、中耳炎などの引き金になる溶連菌に感染すると、対抗するために血液中に現れる抗体のことをいいます。
    紹介状を受け取られた方は・・・上記の病気が隠れていないかどうかみるため、詳細な検査(血液検査等)や再検査、治療について、医師(内科)に相談することをお勧めします。
  • 肝炎ウイルス検査
    肝炎ウイルスによる感染の有無を検査します。
    • B型肝炎ウイルス抗原・抗体:B型肝炎ウィルスに感染していないかを調べます。
    • C型肝炎ウイルス抗体:C型肝炎ウィルスに感染していないかを調べます。

    紹介状を受け取られた方は・・・肝炎ウイルス感染の詳細をみるための検査(血液検査、超音波検査等)や治療について、医師(内科、肝臓内科)に相談することをお勧めします。

    福岡県内の精密検査ができる医療機関はこちらをご覧ください。
    (福岡県医師会ホームページ令和5・6年度各種検診精密検査等実施医療機関登録名簿より抜粋)

    なお、受診の際は事前に医療機関にご確認ください。

  • 腫瘍マーカー
    腫瘍マーカーはがん検診の指標となる検査です。
    • CA19-9:膵臓がんになると急に上昇する特性をもつ腫瘍マーカー検査です。
    • AFP:肝臓がんになると急に上昇する特性をもつ腫瘍マーカー検査です。
    • CEA:消化がん(胃がん、大腸がん、肝臓がん、胆道がんなど)の腫瘍マーカーとして用いられる検査です。
    • SCC:主に子宮頸がんを調べる腫瘍マーカーです。子宮頸がん、肺がん、食道がん、尿路がんなどを疑うことができます。
    • CA-125:婦人科系疾患、特に卵巣がん、子宮がんでは特異な反応を示す腫瘍マーカー検査です。
    • CYFRA:肺がんの扁平上皮がん、腺がん、大細胞がんなどの非小細胞がんで陽性率が高くなる腫瘍マーカー検査です。
    紹介状を受け取られた方は・・・上記の病気が隠れていないかどうかみるため、詳細な検査(血液検査、超音波検査、CT検査等)や再検査、治療について、医師(内科)に相談することをお勧めします。
  • 前立腺
    血液でわかる前立腺がんに関する検査です。
    • PSA:前立腺がんの早期発見や病期の推定予後予測などを調べるのに有効な腫瘍マーカーです。前立腺がん、前立腺肥大、前立腺炎などで数値が上昇することがあります。

    紹介状を受け取られた方は・・・上記の病気が隠れていないかどうかみるため、詳細な検査(血液検査、超音波検査、直腸診、組織診等)や再検査、治療について、医師(泌尿器科)に相談することをお勧めします。自転車などの運動によりPSAの数値が上昇する場合もあります。

    福岡県内の精密検査ができる医療機関はこちらをご覧ください。
    (福岡県医師会ホームページ令和5・6年度各種検診精密検査等実施医療機関登録名簿より抜粋)

    なお、受診の際は事前に医療機関にご確認ください。

  • 血液でわかる胃がんに関する検査です。
    • ペプシノゲン:萎縮性胃炎を高い確率で発見することができるため、萎縮性胃炎を経て発生する可能性が高い胃がんの早期発見に有効な検査と言えます。
    • ヘリコバクター・ピロリ:血液でピロリ菌に対する抗体の有無を調べます。ピロリ菌に感染すると胃に炎症を起こすことが確認され、胃潰瘍や胃がんとの関連性も指摘されています。除菌することで胃潰瘍・胃がんの発がんリスクを減らすことができます。

    紹介状を受け取られた方は・・・胃内視鏡で、胃がんや胃潰瘍の有無を調べてもらってください。ピロリ菌陽性の場合は除菌治療について医師(内科、消化器科)に相談することをお勧めします。

    精密検査の詳細についてはこちらをご覧ください。

    福岡県内の精密検査ができる医療機関はこちらをご覧ください。
    (福岡県医師会ホームページ令和5・6年度各種検診精密検査等実施医療機関登録名簿より抜粋)

    なお、受診の際は事前に医療機関にご確認ください。

循環器検査
(血圧、心電図)

  • 血圧
    血圧は心臓が血液を送り出す時に、血管の壁に加わる圧のことです。

    現在は、自動血圧計を主に使用し計測しています。最高血圧と最低血圧の結果によって、高血圧の状況を把握します。高血圧が続くと、血管に障害が起こり、心臓病や脳血管障害等の病気を引き起こします。

    紹介状を受け取られた方は・・・高血圧の治療について、また、何らかの病気によって二次的に高血圧になっていないかなどについて医師(内科、循環器科)に相談することをお勧めします。家庭血圧の記録を受診時に提出することも大切です。

  • 心電図
    心電図は心臓の動きを調べる検査です。
    • Ⅰ度房室ブロック:心臓の上部での電気の流れに時間がかかることをいいます。
    • II度房室ブロック:心臓内部の電気の流れが途絶えることをいいます。ウエンケバッハ型とモビッツ型Ⅱ型の2種類があります。心筋炎、冠動脈硬化のときなどに起こります。
    • ST上昇:心電図のST部分が通常より上へシフトしています。心筋炎、心筋梗塞、ブルガダ症候群のときに現れます。健康な若年者でも見られます。
    • ST低下:心電図波形のうちでST部が通常より下がった状態です。心臓筋肉での血液の流れが悪い場合や、心臓の筋肉が厚くなった心筋症などで起こります。
    • WPW症候群:心房内に電流ルートに余分があり、そこを流れています。動悸発作を起こすことがあり、その場合は治療が必要です。
    • 陰性T:心電図波形のうちで通常は山型をしているT波が谷のようにへこんだ状態です。多くは心臓筋肉に負荷がかかった状態や障害によりおきます。
    • 右脚(うきゃく)ブロック:伝導路のなかで心臓の右側部分で電流が途絶え、左側から電流を流してもらっている状態をいいます。加齢とともに起こりやすくなる病態です。
    • 右軸偏位(うじくへんい):心臓内の電気の流れは、通常は右上に存在する右房から下方にある左室と右室に流れますが、右側に偏って流れている状態です。
    • 完全房室ブロック(III度房室ブロック):心臓の上方にある右心房から心室へ、電気が流れていきますが途中でブロックされた状態です。心房と心室が個々に独立して電気が発生します。人工ペースメーカによる治療を行います。
    • 左脚(さきゃく)ブロック:心電図の中で心臓の左側部分で電流が途絶え、右側から電流を流してもらっている状態をいいます。ほとんどの場合心臓疾患が原因で起こりますので、この原因を調べる必要があります。
    • 左室肥大(さしつひだい):心臓弁膜症や高血圧などにより、心臓の左側にある左室の容積が大きくなったり、筋肉が肥大していることでみられる現象です。
    • 左軸偏位(さじくへんい):心臓内の電気の流れは、通常は右上にある右房から下方の左室と右室に流れますが、左側に偏って流れています。
    • 上室性(じょうしつせい)期外収縮:心臓の上部から余分な電気が発生して心臓を刺激する場合をいいます。緊張、興奮、ストレスなどで起こることもあります。動悸を感じる場合や頻回にでる場合は薬物で治療することもあります。
    • 心室性(しんしつせい)期外収縮:電気の発生源が通常ではない心室部位から、通常のリズムよりも早く発生した状態をいいます。多くの心疾患のとき、または健康な人でも興奮、喫煙、過労の時などに見られます。出現頻度や原因、病状によっては治療が必要となることがあります。
    • 心房細動:心臓の上の部分にある心房が無秩序に頻回かつ不定の興奮を起こしている状態です。左心房内部にある血液が塊となって血栓を作ることがあるため、治療を受ける必要があります。
    • 反時計回転:心臓自体がやや右方向に回転していることをいいます。
    紹介状を受け取られた方は・・・上記の病気が隠れていないかどうかみるため、詳細な検査(負荷心電図、24時間ホルダー心電図、血液検査、心エコー等)や再検査、治療について、医師(内科、循環器科)に相談することをお勧めします。

超音波検査(腹部・乳腺)

  • 腹部超音波検査
    超音波(エコー)で、肝臓、胆のう、すい臓、脾臓、腎臓の状態を調べます。
    • 肝血管腫:血管が増殖してできた良性の腫瘍です。ただし、大きい場合や初めて見つかった場合は、精密検査をする必要があります。
    • 肝のう胞:肝臓内部にできた、独立した袋状組織です。なかには、液体または半固形体が入っています。
    • 脂肪肝:肝細胞に脂肪が蓄積した状態です。継続的かつ多量の飲酒や肥満、脂質異常症などが原因になります。
    • 胆のう結石(胆石):胆のう内にカルシウムやコレステロールなどが成分の石が形成されています。結石の状態により、胆のうがんの存在を見落とす原因になるおそれがある場合など、摘出手術をする場合もあります。
    • 胆のう腺筋症:胆のうの粘膜と筋組織が増殖する病変です。
    • 胆のうポリープ:胆のう粘膜にできたポリープ(局所的な隆起)のことです。自覚症状はありません。10mm以上を目安に精密検査を行います。
    • 膵管拡張:膵臓から十二指腸へ通じている膵管が拡張しています。膵管内に結石や腫瘤があるとその部分に通過障害起こって生じるものです。
    • 膵のう胞:膵臓内にできた、独立した袋状の組織です。袋には液体あるいは粘液が含まれています。急性膵炎、慢性膵炎、外傷があったときなどに形成されることがあります。真性のう胞と仮性のう胞とがありますが、大半は仮性のう胞です。初めてみつかった時には鑑別の為に精密検査を行います。
    • 腎萎縮:腎臓が、腎不全などの腎障害のために小さくなってしまう状態をいいます。
    • 腎石灰化:腎臓にできたカルシウムの沈着のことです。
    • 腎臓結石:腎臓にできた結石のことです。
    • 腎のう胞:腎臓内にできた袋状の組織で、基本的には心配のないものですが、壁や内部の状態に不審な点があれば、精密検査で確認します。
    • 水腎症:尿路に生じた通過障害によって、腎臓の中の腎盂・腎杯が膨張した状態になったものです。その原因としては、尿管結石、尿管腫瘍などがあります。
    紹介状を受け取られた方は・・・上記の病気が隠れていないかどうかみるため、詳細な検査(血液検査、超音波検査、CT検査等)や再検査、治療について、医師(内科)に相談することをお勧めします。
  • 乳腺超音波検査
    超音波(エコー)で、乳房の内部に腫瘍などの病気がないかを調べます。
    • のう胞:乳腺のう胞とは、乳腺症の1つで乳腺組織が袋状に変形し、水がたまったものをいいます。
    • 線維腺腫:性成熟期の女性の乳房に発生する良性のしこりができる病気です。

    紹介状を受け取られた方は・・・必ずしも「がん」ということではなく、がん以外の病気が発見されたり、異常なしの場合もありますが、必ず専門医(外科、乳腺外科)にて精密検査(マンモグラフィ検査、超音波検査、穿刺細胞診、MRI検査等)を受けましょう。

    福岡県内の精密検査ができる医療機関はこちらをご覧ください。
    (福岡県医師会ホームページ令和5・6年度各種検診精密検査等実施医療機関登録名簿より抜粋)

    なお、受診の際は事前に医療機関にご確認ください。

X線検査
(肺がん検診・結核検診)

  • 肺がん検診・結核検診(胸部X線検査)
    Ⅹ線の単純撮影検査は、肺の異常陰影を調べる検査です。
    • 孤立性陰影:肺野内で周囲との境界がはっきりしている陰影です。
    • 腫瘤様陰影腫瘤様陰影:肺野内で腫瘤に類似した陰影です。
    • 浸潤陰影:肺野内で周囲との区別がはっきりしない陰影です。
    • 縦隔陰影異常:縦隔(両方の肺の間にある心臓、血管、気管、胸膜がある部分)にみられる陰影です。
    • 肺門陰影異常:肺門部(肺の入り口の太い気管支のこと)にみられる陰影です。
    • 硬化性陰影:結核などの治ったあとの古い病巣がⅩ線上にみられるものです。
    • 結節状陰影:肺野内で、ほぼ円形の塊(結節とは塊のこと)状に写し出された陰影です。
    • 胸膜癒着肥厚:肺を覆っている膜(胸膜)が厚みを帯びた状態です。炎症等の完治後によるものがほとんどですが、まれに、肺結核やアスベストによる胸膜中皮腫などの場合があります。
    • 胸膜癒着肥厚石灰化:肺を覆っている膜(胸膜)が癒着し厚みを帯びた状態で、胸膜にカルシウムが沈着した状態です。
    • 胸水:胸部に通常存在しない水がたまった状態です。
    • 横隔膜挙上:胸部と腹部を隔てる横隔膜が通常よりも高い位置にある状態です。
    • 加療変形:治療を受けたことにより、胸椎と肋骨、胸骨でできたカゴ状のもの。又は肺の周りの骨格が変形した状態です。

    紹介状を受け取られた方は・・・必ずしも「がん」ということではなく、がん以外の病気が発見されたり、異常なしの場合もありますが、必ず呼吸器科にて精密検査(胸部CT検査等)を受けましょう。

    精密検査の詳細についてはこちら をご覧ください。

    福岡県内の精密検査ができる医療機関はこちらをご覧ください。
    (福岡県医師会ホームページ令和5・6年度各種検診精密検査等実施医療機関登録名簿より抜粋)

    なお、受診の際は事前に医療機関にご確認ください。

X線検査(胃がん検診)

  • 胃がん検診(胃部X線検査)
    バリウム(造影剤)を飲んで、胃をX線撮影する検査です。臓器の変形や異常をみます。
    • 透亮像:胃の壁の一部が隆起(盛り上がり)している状態です。
    • ニッシェ:胃の粘膜面が凹み(ニッシェ)、そこにバリウムが溜まって見える状態です。
    • 集中:胃粘膜のシワ(襞)が集中している状態です。
    • 壁硬化:胃の形態に何らかの障害が加わり、硬く見える状態です。
    • 辺縁不整:胃の形態に何らかの障害が加わり、胃壁の周囲(辺縁)に変化を生じている状態です。
    • 変形:胃の形態に何らかの障害が加わり、変形した状態です。
    • 粘膜異常:胃粘膜面に模様の変化が見られる状態です。

    紹介状を受け取られた方は・・・胃内視鏡で、胃がんや胃潰瘍の有無を調べてもらってください。ピロリ菌陽性の場合は除菌治療について医師(内科、消化器科)に相談することをお勧めします。

    精密検査の詳細についてはこちらをご覧ください。

    ピロリ菌感染症疑いで紹介状が出た方へ(PDF:1.12 MB)

    福岡県内の精密検査ができる医療機関はこちらをご覧ください。
    (福岡県医師会ホームページ令和5・6年度各種検診精密検査等実施医療機関登録名簿より抜粋)

    なお、受診の際は事前に医療機関にご確認ください。

婦人がん検診(子宮、乳)

  • 子宮頸がん検診
    子宮の入り口(頸部)の細胞を調べる検査です。がん細胞の有無および、細胞の種類(組織型)を知ることができます。ベセスダ分類で判定します。
    • NILM:異常はありません。
    • ASC-US:異型を伴う細胞がみられます。必ず精密検査を受けましょう。
    • ASC-H:異形成の可能性があります。必ず精密検査を受けましょう。
    • LSIL:軽度の異形成の可能性があります。必ず精密検査を受けましょう。
    • HSIL:前がん病変の可能性があります。直ちに精密検査を受けましょう。
    • SCC:扁平上皮がんの可能性があります。直ちに精密検査を受けましょう。
    • AGC:腺異形成の可能性があります。必ず精密検査を受けましょう。
    • AIS:前癌病変の可能性があります。直ちに精密検査を受けましょう。
    • Adenocarcinoma:腺がんの疑いがあります。直ちに精密検査を受けましょう。
    • other:がんの可能性があります。直ちに精密検査を受けましょう。

    紹介状を受け取られた方は・・・必ずしも「がん」ということではなく、がん以外の病気が発見されたり、異常なしの場合もありますが、必ず婦人科にて精密検査(細胞診、経膣エコー、コルポスコープ診、組織診等)を受けましょう。

    精密検査の詳細についてはこちら をご覧ください

    福岡県内の精密検査ができる医療機関はこちらをご覧ください。
    (福岡県医師会ホームページ令和5・6年度各種検診精密検査等実施医療機関登録名簿より抜粋)

    なお、受診の際は事前に医療機関にご確認ください。

  • 乳がん検診(マンモグラフィ)
    乳房専用のX線検査です。しこりや石灰化した微小な乳がんを発見します。
    • 石灰化:乳管からの分泌物が何らかの原因で、結晶化してカルシウムが沈着した状態です。
    • 構築の乱れ:腫瘤は明らかではありませんが、正常の乳腺構築が歪んでいる状態のことです。
    • 局所的非対称性陰影:『腫瘤』と言えるほどの濃度(X線の白黒の白さ)や、境界をもたない左右非対称の陰影です。

    紹介状を受け取られた方は・・・必ずしも「がん」ということではなく、がん以外の病気が発見されたり、異常なしの場合もありますが、必ず専門医(外科、乳腺外科)にて精密検査(マンモグラフィ検査、超音波検査、穿刺細胞診、MRI検査等)を受けましょう。

    精密検査の詳細についてはこちら をご覧ください

    福岡県内の精密検査ができる医療機関はこちらをご覧ください。
    (福岡県医師会ホームページ令和5・6年度各種検診精密検査等実施医療機関登録名簿より抜粋)

    なお、受診の際は事前に医療機関にご確認ください。

骨粗しょう症検査
(骨密度検査)

  • 骨粗しょう症検査(骨密度検査)
    骨密度を測定します。主に前腕や腰椎の骨のX線検査や踵の骨の超音波検査です。

    骨粗しょう症の疑いがあるかどうか、若年成人の骨量の平均値を基準とし、異常なし、要指導、要精検と判定されます。判定の際は、問診のリスクも参考にします。

    紹介状を受け取られた方は・・・必ず専門医(整形外科)にて精密検査(X線検査、血液検査等)を受けましょう。

    福岡県内の精密検査ができる医療機関はこちらをご覧ください。
    (福岡県医師会ホームページ令和5・6年度各種検診精密検査等実施医療機関登録名簿より抜粋)

    なお、受診の際は事前に医療機関にご確認ください。

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