特定化学物質(特定化学物質障害予防規則第39条)
特定化学物質を取り扱う労働者に対しては、雇入れ時、当該業務への配置替え時及び6ヶ月以内毎に1回定期に実施しなければなりません。特定化学物質健康診断は第一次検査と第二次検査にわかれています。第一次検査で有所見となり、医師が必要と認める場合には第二次検査を行わなければなりません。
第1類特定化学物質
- ジクロルベンジジン及びその塩
- ジアニシジン及びその塩
- アルファナフチルアミン及びその塩
- ベリリウム及びその化合物
- 塩素化ビフェニル(PCB)
- ベンゾトリクロリド
- オルト-トリジン及びその塩
第2類特定化学物質
- アクリルアミド
- 臭化メチル
- アクリロニトリル
- 水銀及び無機化合物
- アルキル水銀化合物
- トリレンジイソシアネート
- エチレンイミン
- ニツケル化合物(粉状の物に限る。)
- エチレンオキシド
- ニツケルカルボニル
- 塩化ビニル
- ニトログリコール
- 塩素
- パラ-ジメチルアミノアゾベンゼン
- オーラミン
- パラ-ニトロクロルベンゼン
- オルト-フタロジニトリル
- 砒素及びその化合物
- カドミウム及びその化合物(アルシン及び砒化ガリウムを除く。)
- クロム酸及びその塩
- クロロメチルメチルエーテル
- フッ化水素
- クロロメチルメチルエーテル
- オルト-ベータ-プロピオラクトン
- 五酸化バナジウム
- ベンゼン
- コールタール
- ペンタクロロフェノール及びナトリウム塩
- シアン化カリウム
- ホルムアルデヒド
- 3,3’-ジクロロ-4,4’-ジアミノジフェニルメタン
- マゼンタ
- インジウム化合物
- マンガン及びその化合物
- コバルト及びその無機化合物(塩基性マンガンを除く。)
- 酸化プロピレン
- シアン化水素
- 沃化メチル
- シアン化ナトリウム
- 硫酸ジメチル
- 硫化水素
- エチルベンゼン
- 1,1-ジメチルヒドラジン
- 重クロム酸及びその塩
有機溶剤健康診断
(有機溶剤中毒予防規則第29条)法令で定められた有機溶剤業務に従事する労働者に対しては、雇入れの際、当該業務への配置換えの際および6ヶ月以内ごとに1回定期に、次の項目の健康診断を実施しなければなりません。
有機溶剤の健康診断項目
1 | 業務の経歴の調査 |
---|---|
2 | 有機溶剤による健康障害の既往歴の調査 |
有機溶剤による自覚症状及び他覚症状の既往歴の調査 | |
有機溶剤による5~8に掲げる異常所見の既往の有無の調査 | |
4の既往の検査結果の調査 | |
3 | 自覚症状及び他覚症状の有無の検査 |
4 | 尿中の蛋白の有無の調査 |
5 | 尿中の有機溶剤代謝物の量の検査 |
6 | 肝機能(GOT、GPT、γ‐GTP) | ※対象物質のみ
7 | 貧血検査(赤血球数、血色素量) | ※対象物質のみ
8 | 眼底検査 ※対象物質のみ |
有機溶剤代謝物の検査内容
対象物質名 | 検査内容 |
---|---|
キシレン | 尿中メチル馬尿酸 |
スチレン | 尿中マンデル酸 |
トルエン | 尿中馬尿酸 |
1,1,1-トリクロルエタン | 尿中トリクロル酢酸又は総三塩化物 |
ノルマルヘキサン | 尿中2,5-ヘキサンジオン |
N,N-ジメチルホルムアミド | 尿中N-メチルホルムアミド |
トリクロルエチレン | 尿中トリクロル酢酸又は総三塩化物 |
テトラクロルエチレン | 尿中トリクロル酢酸又は総三塩化物 |
指定の有機溶剤の種類と検査項目
有機溶剤の種類 | 検査内容 | |||
---|---|---|---|---|
代謝物 | 肝機能 | 貧血 | 眼底 | |
キシレン、スチレン、トルエン、1,1,1-トリクロルエタン、ノルマルヘキサン | ○ | – | – | – |
N、N-ジメチルホルムアミド、トリクロルエチレン、テトラクロルエチレン | ○ | ○ | – | – |
クロルベンゼン、オルトジクロルベンゼン、クロロホルム、四塩化炭素、 1,4-ジオキサン、1,2-ジクロルエタン、1,2-ジクロルエチレン、 1,1,2,2,-テトラクロルエタン、クレゾール | – | ○ | ○ | – |
セロソルブ類(エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル) | – | – | ○ | ○ |
二硫化炭素 | – | – | – | ○ |
じん肺健康診断(じん肺法第3条、第7条~第9条の2)

じん肺法施行規則に定められた23種類の粉塵作業のいずれかに常時従事し、または従事したことのある労働者に対し、就業時、定期、定期外、離職時に次の項目のじん肺健診を行わなければなりません。(3年以内ごとに1回)じん肺健診の結果、管理区分が管理2又は管理3となった有所見労働者には”肺がんに関する検査”を行うことになっております。(1年以内ごとに1回)
石綿健康診断(石綿障害予防規則第40条~43条)
石綿作業従事者に対する健康診断を義務付ける石綿障害予防規則が制定され、雇入れ時、当該業務への配置換え時及び定期(6ヶ月に1回)健康診断を行わなければなりません。石綿はじん肺健康診断の対象であると共に、特定化学物質として扱われているため、特定化学物質障害予防規則に準じて6ヶ月毎の健康診断になっています。
鉛健康診断(鉛中毒予防規則第53条)

法令で定められた鉛業務に従事する労働者に対しては雇入れ時、配置替え時及びその後6ヶ月以内ごとに1回定期的に行わなければなりません。